解析ディレクトリと各種ファイルの設置¶
生データのダウンロードが終了したら、次は解析ディレクトリや解析に必要なファイルの準備をします。 ここで行う事は、1) 解析ディレクトリの作成と _mapper ファイル作成、2) Brighter-Fatter カーネルの設定、3) アストロメトリ用カタログファイルへのリンク作成 です。 それぞれの詳細も含め、以下を確認して下さい。
解析ディレクトリの作成と _mapper ファイル作成¶
_mapper ファイルはデータがどの観測装置で取られたものかを示すものになります。
Warning
_mapper ファイルがないと解析が進まないので必ず作成してください。
# 必要な場合は、環境変数のリセット(マシンによっては環境変数をリセットしないとhscpipeのコマンドがうまく走らない場合があります)。hanacoでは不要。
unset LD_LIBRARY_PATH
# HSC pipeline セットアップコマンドを登録する。以上までは .bashrc等に書き込んでも良い。
source ~/opt/hscpipe/7.9.1/bashrc
# hscpipe setup コマンドで環境変数を設定
setup-hscpipe
# 以上までをログインの度に行う
# 解析用ディレクトリを作成 (ホームディレクトリの下に HSC というディレクトリを作り、そこを解析ディレクトリとする場合)
mkdir ~/HSC
# _mapper ファイルを作成
echo 'lsst.obs.hsc.HscMapper' > ~/HSC/_mapper
Brighter-Fatter カーネルの設定¶
hscPipe5 では、1次処理の際に行われる brighter-fatter 効果 (明るい星のような高カウントのピクセルから電荷が周囲に浸み出し、天体が広がって見える効果) を取り除くカーネルを自身の解析ディレクトリの下にコピーする必要があります。 バイナリパッケージをインストールし、create-rootdir.sh を実行した場合はこの作業も同時に行われています。 バイナリパッケージを使用しなかった場合、以下に方法を示します。
# BFKERNEL ディレクトリ (名前は必ず BFKERNEL にして下さい) を ~/HSC/CALIB の下に作成。
mkdir ~/HSC/CALIB/BFKERNEL
# brighter_fatter_kernel.pkl は $OBS_SUBARU_DIR/hsc/ の下にあるので、そこへ向けてリンクを張ります。
cd ~/HSC/CALIB/BFKERNEL
ln -s $OBS_SUBARU_DIR/hsc/brighter_fatter_kernel.pkl
アストロメトリ用カタログファイルへのリンク作成¶
hscPipe の CCD 解析では、1次処理の後にアストロメトリ較正、等級原点較正、天体の検出と測定を行います。 その際に外部のカタログファイルを参照します。
Note
hscPipe4 以前ではログインの度に setup astrometry_net_data コマンドを実行する必要がありましたが、hscPipe5 ではこのリンクを作成するだけで良いです。
# カタログファイル本体は ~/astrometry_data/ にあるとする。
# 解析ディレクトリの下に ref_cats ディレクトリを作成 (名前は必ず ref_cats にして下さい)。
mkdir ~/HSC/ref_cats
# ref_cats に移動し、リファレンスカタログへのリンクを張る。
cd ~/HSC/ref_cats
ln -s ~/astrometry_data/ps1_pv3_3pi_20170110
HSC用 transmission curveのセット¶
hscPipe 6以降では、自分でtransmission curveをセットしなければなりません。下記のコマンドを実行してください。
installTransmissionCurves.py ~/HSC