hscPipe7 のインストール方法

Note

このページは HSC pipeline バイナリ配布所 をもとに作成されています。パッケージの詳細についてはそちらを参照して下さい。

動作環境

300 ショット分のデータを解析したい場合、以下のような環境が必要になります。

  スペック コメント
CPU x86_64  
コア数 12  
メモリ 64 GB 広い領域を観測したデータを解析したい場合はさらに必要
HDD 10 TB 300 ショット × オブジェクト の場合

ダウンロード

バイナリパッケージ

CentOS 7 の場合、バイナリパッケージを使ってインストールできます。 その他の OS をお使いの方は LSST のインストールマニュアル に従ってインストールすることができます (詳細は ソースからビルドする場合)。

現在配布している最新のパッケージはバージョン 7.9.1 です。 下のバージョン (“with OpenBLAS”) は上に比べて mosaic.py が安定しています。 国立天文台多波長解析システムにインストールする場合は”with OpenBLAS”バージョンを推奨します。 pipeline開発チームとしては、mosaic.py から jointcal.py に 移行しようとしているのですが、 jointcal.pyに問題が報告されているため、2019年11月時点ではmosaic.pyを推奨しております (jointcal.py問題について)。

OS リンク
CentOS 7 DL
CentOS 7 with OpenBLAS DL
build script DL

アストロメトリ用カタログ

カタログは Pan-STARRS reference catalog in LSST format からダウンロードできます。 このページでは、すべてのファイルを取るのではなくサブセットのみを取ることを推奨しています。 全ファイルが欲しい場合は、reference-ps1_pv3_3pi_20170110.tar.xz をダウンロードして下さい.


インストール

1. ルートになれる場合

ルートになり、プログラムアーカイブを /opt に展開します。

# /opt に移動し、そこにパッケージを展開。ダウンロードされたパッケージは ~/ にあるものとする。
cd /opt
tar xvf ~/hscPipe-7.9.1-openblas-centos-7-x86_64.tar.xz

この場所に展開できた場合はこれでプログラムの設置は完了です。


2. ルートになれない場合

ルートになれない場合は好きな場所に展開して下さい。以下の例では ~/ana に置くようにします。 展開後に同梱のインストールスクリプトを走らせます。

# /ana ディレクトリを作り、そこにパッケージを展開。ダウンロードされたパッケージは ~/ にあるものとする。
mkdir ~/ana
cd ~/ana
tar xvaf ~/hscPipe-7.9.1-openblas-centos-7-x86_64.tar.xz

# 同梱のインストールスクリプトを実行。展開したディレクトリの下に hscpipe というディレクトリができており、そこへ移動。
cd hscpipe/7.9.1
./install.sh

これでインストールは完了です。


アストロメトリ用カタログの設置

アストロメトリ用カタログは全ファイルをダウンロードした場合、400 GB 程度になりますので、十分な空き容量のあるディレクトリに展開して下さい。

# 任意のディレクトリ ~/astrometry_data に展開する。
cd ~/astrometry_data
tar xvaf ~/reference-ps1_pv3_3pi_20170110.tar.xz

以前のバージョンと異なり、インストールは必要なくなったため、これでアストロメトリ用リファレンスカタログの設置は完了です。


セットアップコマンドの登録

hscPipe は bash で動く仕様になっています。自分の ~/.bashrc にセットアップコマンドを登録しましょう。

# ~/.bashrc にセットアップコマンドを登録する。
vi ~/.bashrc

: (.bashrc の中身)
:
source ~/opt/hscpipe/7.9.1/bashrc # この行を追加して保存

# 登録情報をすぐに反映させたい場合。
source ~./bashrc

これでセットアップコマンドの登録は完了です。 以降はセットアップコマンド (setup-hscpipe) を走らせると大量の環境変数が設定され、hscPipe が使えるようになります。ただし、このセットアップコマンドはログインのたびに、新しい端末を立ち上げるたびに行う必要があります。

# hscPipe セットアップコマンド
setup-hscpipe

# 環境変数を元に戻したい場合
reset-env

ソースからビルドする場合

CentOS を使っていない場合や、Mac にインストールしたい場合はご自身でビルドして頂く必要があります。 以前のバージョンよりビルドプロセスは安定し、インストールしやすくなっています。

LSST のインストールマニュアル に従ってインストールできます。 インストール前の条件 (Prerequisites) についてはよく確認して下さい。 hscPipe をインストールする場合は以下のようなステップを踏む必要があります。

# hscPipe6 をインストールするディレクトリを作る。以下の例では ~/hscpipe7 とする。
mkdir ~/hscpipe7
cd ~/hscpipe7

export EUPS_PKGROOT=http://tigress-web.princeton.edu/~HSC/hscPipe7/
wget $EUPS_PKGROOT/newinstall.sh
bash newinstall.sh # "yes" と答える。

source ~/hscpipe5/loadLSST.bash
eups distrib install hscPipe 7.9.1

次に ds9 を起動するためのパッケージをインストールします。hscPipe7 ではデフォルトで ds9 を起動するパッケージが入っていません。 ですので、以下の手順を踏んでください。

# ds9 を起動するパッケージインストール
source /path/to/lsst/stack/loadLSST.bash
export EUPS_PKGROOT=http://tigress-web.princeton.edu/~HSC/hscPipe7/
eups distrib install -j xpa 2.1.15.lsst3

# display_ds9 をインストールする前に環境をセットアップ。
# これを行ってから "-j" オプションをつけてインストールをすると、インストール時のセットアップが再現される。
setup afw
setup xpa
setup python_future

eups distrib install -j display_ds9 13.0+5

# インストールが完了したらセットアップ
setup display_ds9

# display_ds9 のセットアップは setup-hscpipe と同様にログインのたびに行ってください。
# バイナリパッケージをインストールされた場合は setup-hscpipe に setup diplay_ds9 も含まれるので、行う必要はありません。