Dark データの作成¶
Dark データはある積分時間の間に CCD にたまる暗電流を較正するためのデータで、Dark 生データから Bias データと overscan を引くことで生成されます。 HSC pipeline ではまず各 [visit, CCD] 毎に overscan の平均をピクセルのカウント値から差し引いた Dark データを作ります。この各 [visit, CCD] の Dark データの平均から Bias データを差し引いたものが最終的な Dark データとなります。 HSC pipeline における Dark データ生成は reduceDark.py で実行されます。
# Dark データの生成
reduceDark.py $home/hsc --calib=$home/hsc/CALIB --rerun=calib_dith_16h_dark --id visit=6600 --detrendId calibVersion=all
# 使い方:
# reduceDark.py <解析用ディレクトリ> --calib=<較正用データディレクトリ> --rerun=<rerun名> --id visit=<Dark データの visit 番号> --detrendId --detrendId calibVersion=<較正データのバージョン>
Note
基本的なオプションは reduceBias.py と同じです。
reduceDark.py が正常に終了すると以下のデータが生成されます。 最終 Dark データは $home/hsc/CALIB 下に、中間生成データは $home/hsc/rerun/[rerun] 下にそれぞれ生成されています。
- Dark データ :$home/hsc/CALIB/DARK/[dateObs]/[filter]/[calibVersion]/ 下にある DARK-[ccd].fits
- 各 [visit, CCD] の overscan 引きの結果画像 :$home/hsc/rerun/[rerun]/[pointing]/[filter]/thumbs/ 下にある oss-[visit]-[ccd].png
- 各 [visit, CCD] を Flat で割った結果画像(※1):$home/hsc/rerun/[rerun]/[pointing]/[filter]/thumbs/ 下にある flattened-[visit]-[ccd].png
- 各 [visit, CCD] の Dark データ :$home/hsc/rerun/[rerun]/postISRCCD/v[visit]-f[filter]/ 下にある c[ccd].fits
Note
※1 Dark データの生成に際し「Flat データで割る」計算が行われるわけではありませんが、現在 HSC pipeline のデフォルトの仕様では生成されてしまうようです。 この画像が不要ならば –config doWriteFlattenedThumb=False というオプションをつけることで回避できます。
図2 には Dark 生データ(左)と reduceDark.py で生成された Dark データ(右)を表示しています。 Bias データと同じく、Dark データ生成時に overscan、prescan 領域が切り捨てられるため Dark データは Dark 生データより一回り小さめです。 Dark データのピクセルのカウント値もほぼ 0 となっています。
Dark データが生成されていることを確認したら、忘れずにレジストリに登録しましょう。
# Dark データをレジストリに登録
genCalibRegistry.py --root=~/hsc/CALIB --camera=HSC --validity=1000
Note
Bias データの生成時に1 次処理用データレジストリは作成しているため、 –create のオプションは不要です。