サテライトトレイル・ゴーストマスクパッケージを走らせたい場合

観測条件や装置依存により、サテライトトレイルやゴーストが除去できずに残ってしまう場合があります。 これはそれらをマスクし、除去するパッケージです。まだ開発中ですので、使用される場合はリスクシェアという形でお願いいたします。 また、使用後のフィードバックを受け付けておりますので、helpdesk@anela.mtk.nao.ac.jp までお送り下さい。

ゴースト処理部分 (hscGhost) は、国立天文台 小宮山裕氏、川野元聡氏らによるHSC画像のゴーストに関する 調査研究結果、またそれに関する試験コードに基づいて実装されています。

参考文献(2016年すばるユーザーズミーティング ポスター講演)

ダウンロード完了後、適当なディレクトリに展開します。:

tar xvf mask.tar.gz

各コマンドも含め、詳細は mask/README に記載しています。

まず、mask/ の下にある以下のパッケージを展開してください。

tar xvf hscGhost.tar.gz
tar xvf fh_trails.tar.gz
tar xvf obs_subaru.tar.gz

その後 setup-hscpipe と astrometry_net_data をセットアップし、上記 3 つのパッケージをさらに追加でセットアップします。

# astrometry_net_dat が Pan-STARRS の場合
setup-hscpipe
setup astrometry_net_data ps1_pv3_3pi_20170110-and

setup -jr hscGhost/
setup -jr fh_trails/
setup -jr obs_subaru/

fh_trails と obs_subaru についてはリビルドが必要なので、

cd fh_trails
scons opt=3 -j 8  # 8=並列コンパイルで使うコア数
cd ..

cd obs_subaru
scons opt=3 -j 8
cd ..

を行って下さい。

これらのパッケージは reduceFrames.py が成功した (CORR ファイルができている) visit に対して実行します。 実行する際には再度上記のすべての setup コマンドを実行し、以下のようにコマンドを走らせます。

maskGhost.py $home/hsc --rerun dith_16h_test --id visit=902798..902808:2 --config doMaskMustache=True doMaskCaustic=True doMaskTrail=True --clobber-config --batch-type=smp --cores=8

# 使い方
#  maskGhost.py [解析ディレクトリ] --rerun [rerun] --id visit=[visit] --config doMaskMustache=True doMaskCaustic=True doMaskTrail=True --batch-type=[batch type] --cores=[ncores]
# オプション
# doMaskMustache : ひげ状ゴーストをマスクしたい場合は True
# doMaskCaustic : 吹き流し状ゴーストをマスクしたい場合は True
# doMaskTrail : サテライトトレイルをマスクしたい場合は True

このコマンドで $home/hsc/rerun/[rerun]/[pointing]/[filter]/corr/ 以下に CORM-*.fits というファイルが生成されます。 そして、新たにマスクされたピクセルにはマスクレイヤーに BAD のビットが立っています。 CORR と CORM を比較して、誤マスクやマスクの漏れが多い場合は使用を控えることを推奨します。

stack.py では CORR ファイルを見に行くので、このマスクで問題ない場合は CORM を CORR に置き換えて下さい。 mosaic 後の wcs と fcr ファイルはマスクを行う以前のもので構いません。必ず wcs, fcr ファイルがある状態で stack を走らせて下さい。 この際、古いデータが残っていると stack は上書きせずにスキップしますので、ご注意下さい。